2010.02.03

御礼

 多くの方から励ましのコメントを頂戴し、誠にありがとうございました。
 おかげさまで、元の生活に戻っております。
 心配をおかけしたまま、長い時間このブログを放置していたことを深くお詫びします。

 Mとはその後会っていません。おそらく入院していたことも知らないのでしょう。Mが飛び出したとき、ぼくはいつものように追いかけるべきだったのでしょうか。今でもかすかに悔いが残ります。

 Mが去り、結果的に自分は少なくとも数年の寿命を手に入れることになりました。当時のままの生活を続けていたら病は手遅れとなり、今年の桜を見ることはなかったでしょう。因果の不思議を感じます。

 Mとの日々、第一幕が終わりました。第二幕があるかわかりません。今はどうしたいのかもわからないのです。ただ、ひとつ言えることは、生きている限り本当の終わりは来ないと言うこと。

 Mとの日々を綴ることからこのブログは始まりました。これまで二人のこと以外はなるべく書かないようにしてきました。これからもそのつもりです。気持ちを整理するために、少しだけMとの思い出を書くかもしれません。

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2008.09.25

西部病棟異常なし

 肺ガンの宣告、手術と合併症の痛みと苦しみ、転移の発覚と再入院、化学療法とその副作用。
 自業自得だと思う。天罰だと思う。心のかたすみで最初から覚悟はしていた。
 それでもMと一緒にいたかった。迷いはなかった。

 Mがいなくなり、希望が消えた。放棄していた義務だけが残った。
 そんな時、眠ることも、夢をみることも許さない病苦が訪れた。
 皮肉なことに、その病苦が、現実の重圧と心の痛みを忘れさせてくれた。

 もう人生に未練は無かった。やりたい事はやった。
 意地でも自暴自棄にはならないが、生への執着もなかった。
 粛々と終わりを迎えたかった。その方が楽だし自然だ。かすかに死に憧れた。

 今日、同室の患者が亡くなった。
 苦しみ、うめき、苦しみ抜いて、突然静かに息を引き取った。
 その死に様を連日連夜隣のベッドから見守っていた。

 同じ病苦を抱え、寝食を共にすると、年齢や職業を超えた同胞意識が芽生えてくる。
 大仰に考えれば圧倒する大軍を相手に塹壕に閉じ篭る戦友同士のようなものだろうか。
 その仲間を失うと、愛するものを失うのとは違った感情にふれることになる。

 静かにひた寄せる死の現実感。そして次は自分だという諦観。
 安息を手に入れた仲間へのかすかな羨望。今わの際の壮絶な苦しみへの恐怖。
 遺族も知らない最後を仲間だけが看取り看取られるということ。

 しかし実際に死を目の当たりにしたら、チクショウ、生き延びてやろうと負けん気がもたげた。
 やっぱりデカダンスは性にあわない。
 交響曲をロックンロールに切り替え音量をあげる。

 思えば、わずか半年で、Mと二人きりの耽美的な生活からずいぶんと遠くに来てしまった。
 美しきMとの日々が、ずっと続くと思っていたのに。
 「ずっと夢を見てた」だけだったのだろうか。

 目覚めた直後、しばし心が夢の世界をさまように、
 無意識の心が封印していたMとの思い出を探る。
 眠れぬ夜更けはMへの慕情がよみがえる。

 今夜は少しだけMの面影を思い出してみる。
 まくらにほおをよせ、そっと名を呼ぶ...
 「M、大丈夫?」

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2008.07.05

アメージンググレース

 病院の待合室にひとり。静かに流れる音楽。
 曲「アメージンググレース」が流れた。ドラマ「白い巨塔」を思い浮かべる。
 そのとき自分の名前が呼ばれた。運命を予感した。

 診察室のドクターは親身だった。
 肺ガンの告知を受けた。大学病院を紹介される。
 「お大事に」ではなく「頑張ってください」と見送られたことに戦慄を覚えた。

 Mに会いたい。
 そばにいて欲しい。
 Mが去ってから4ヶ月経っている。

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2006.12.04

誕生日

 ぼくの誕生日。43歳になる。
 Mが極上のステーキ肉を手に入れてやってきた。
 ちょっと得意そうなM。

 早速、料理開始。
 キッチンで豪快にステーキを焼く。
 ちょっと心配そうなM。

 バルコニーのテーブルに料理を並べる。
 沈む夕日を眺めながらピンクシャンパンで乾杯。
 ちょっと嬉しそうM。

 だんだん暗くなってくる。
 テーブルにランタンを灯す。
 デザートは、ケーキとMとブランディ。

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2006.03.21

天空の隠れ家

 ケンカばかりしていたので、随分とブログを中断してしまいました。
 それなのに、コメントやメールをありがとうございました。
 Mとの関係はまだまだ続いています。

 Mは新しいクラブに移りました。
 ぼくは都心の高層マンションを借りました。
 Mはここから銀座にでかけて、仕事が終わると戻ってきます。

 ぼくは、自分の書斎をつくりました。
 新しくて眺めの良い部屋に満足しています。
 Mがときどき秘書プレイをしてくれます。

 家具も揃いました。
 ミニバーにはお酒も揃いました。
 クローゼットにMのドレスが増えていきます。

 ぼくはとてもマメで几帳面です。
 山とヨットで仕込まれました。
 掃除、料理、裁縫から植木の手入れまで何でもします。

 Mはいつもゆったりと過ごしています。
 読書をしたり、近くのカフェにでかけたり。
 ときどきエッチな気持ちになると、ぼくにまたがったり……。

 Mは、ぼくが働きものなので安心したようです。
 ぼくは、Mがいつもセクシーなので安心しました。
 やっと二人きりになれる場所ができました。

 Mが散歩から帰ってきました。
 買ってきたばかりのコーヒーを淹れてくれました。
 リビングで音楽を聴きながら小さなあくびをしています。

 ぼくはたくさん働いて稼がなきゃ。

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2006.01.06

一年の計

 明けましておめでとうございます。
 せっかくコメントいただいても、返事が遅れていて心苦しいです。
 少しずつ時間をつくって御礼させていただきます。

 クリスマスや年末年始、家庭に仕事にプライベートに……、完全にオーバーフローしていました。
 忙しくてお互いに気が立っているから、わざわざ朝までケンカをしたり、燃焼系の一ヶ月でした。
 ひっぱだかれたり、抱きあったり。ののしりあったり、なぐさめあったり。それでも毎日逢っている。

 二人ですごす二度目のお正月。
 楽しいこともたくさんあったけど、落ち込むこともいっぱいあった。
 よくもこれだけ追っかけまわしたものだ。

 1年を振り返ってMに質問してみた。

「おつきあいをはじめてから1年たったね。今のMにとって僕はどんな存在?」
「ごはんとお味噌汁」(即答)
「え!……。それを言うのなら、私を酔わせるワインとか、禁断の甘いスイーツとかじゃないの?」
「だって慣れちゃった。あって当たり前って感じでしょ?」
「……。せめて、カフェオレとクロワッサンとか」
「いいじゃないの」
「……」
「なにスネてるのよぉ」
「……」

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2005.12.06

盗撮

 盗撮されたことありませんか?
 Mと一緒にいて、5回発見しました。
 気をつけてくださいね。

 1度目はバー。
 僕たちはテーブル。カウンターにはがたいのよい体育会系のお兄さん。
 気配を感じて振り向くと、携帯電話をこちらに向けている。
 「撮ったな!」と言いながら近づいたら、カウンターに居た他の女性達が、「この人、撮ってましたよ!」と口をそろえて教えてくれた。
 「間違えて撮影しちゃったのならしょうがないから、今すぐ消してよ」
 とたたみこみ、その場で削除をしてもらう。

 2度目はカフェ。
 若い男の子。
 気配を感じて振り向いたら、やはり携帯電話がこちらを向いている。
 じろっとにらめつけたら、慌てて携帯電話をしまう。
 「間違えて撮影しちゃったのなら、今すぐ消してね」
 「はい」、と素直に削除に応じる。

 3度目と4度目はプール。
 おじさん。
 やはり気配を感じたので近づいて、おじさんの携帯をのぞきこみながら、
 「何撮ってるの?間違えて僕たちを撮影しちゃったのなら、今すぐ消してね」
 「いや、その、メール見ようと思ったら間違えて…」
 「いいのいいの、今すぐ消してくれれば」
 優しく言えば、たいてい素直に削除してくれる。

 直近はデパートのワイン売り場。
 40歳ぐらいのサラリーマン。
 盗撮されるたびに、追いかけてクレームをつけていたら、Mにたしなめられた。

 「そんなに気にしなくていいのよ。芸能人だって撮影されてもいちいち気にしないでしょ?」
 「だって、おかずにされたら悔しいじゃないか!」
 「うふふ、それでムキになっていたの?」
 と嬉しそうなM。

 ホステスは心構えが違いますね。

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2005.12.05

アクアライン

 週末は、横浜のシティホテルに滞在の予定が仕事の都合でキャンセル。
 「かわりにショッピングに連れて行って」と、Mが言う。
 でも、その前に少し車を走らせたかった。

 雨のアクアラインを駆け抜けて、館山方面へ。
 よくヨットで上陸した港町の料理屋に到着。ここまで家から1時間。
 なめろう、さんが焼き、カワハギの造り、てんぷら、穴子重、のりそば…。食べ過ぎでMにしかられる。

 アクアラインをとんぼ返りしてお台場へ。
 ビーナスフォートでカフェとショップめぐり。
 ここなら雨が降っていても大丈夫。意外にMは楽しそう。

 レインボーブリッジを渡って銀座へ。
 雨で毛皮のコートが濡れてしまうので、バーバリーのコートをプレゼント。
 やっぱりMには銀座が似合う。連れまわしちゃってごめんね。

 朝は近所のカフェ。お昼は南房総で旬の磯料理。食後のコーヒーはお台場。夕方には銀座でショッピング&ディナー。
 こんなデートができるのも、アクアラインのおかげです。
 めずらしく仲良しの二人でした。

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2005.11.25

Mとの食生活

 マリエちゃんの記事にトラックバック。

【一昨日の食生活】
17:00 ホテルのロビーで紅茶とクッキー(Mはコーヒー)
19:00 ホテルのレストランでワインと鴨料理のフルコース
23:00 お部屋でウイスキーとオードブルのルームサービス
10:30 朝食のルームサービス(僕は洋食、Mは和食)
12:00 コーヒーのルームサービス
14:00 蕎麦屋で日本酒と鴨せいろ(Mはにしんそば)
25:00 仕事帰りに合流して、青山のイタリアンレストランでワインとステーキとパスタ

 連続7食、Mと一緒。

 1年間、ほとんど毎日、一度は食事をともにしてきた。
 Mは、ぼく以外とも、同伴やアフターで美食をしているはず。
 なのに、

 ぼくは6kg太って、Mは太らない。
 ぼくは胃潰瘍になって、Mは風邪さえひかない。
 ぼくは時々寝込んだけれど、Mは一度も仕事を休んだことが無い。

 Mの精神力恐るべし。

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別荘か愛人かヨットか?

 「別荘と妾は若いうちはいいが、年取ってから重荷になるからやめときな」
 亡くなったおばあちゃんの言葉。
 けだし至言。

 愛人をずっとかこうには、別宅も用意しなければならない。
 自分なりに生涯のトータルコストを試算してみたら、別荘と愛人とヨットはほぼ同じ。
 どれか一つでも維持がやっとである。

 別荘はいつか八ヶ岳あたりに所有したかったが、あきらめよう。
 ヨットは4年前に手に入れた。
 愛人は1年前に出会って、これからもずっと一緒にいたい。

 ヨットは来春手放そう…。

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2005.11.24

ワインとの出逢い

 昨夜はMと都心のホテルで待ち合わせ。
 ぼくは、お昼過ぎにチェックインをしてお部屋で仕事。
 休日も返上して働くことミツバチの如し。

 夕方、Mがお腹をすかせてやってきた。
 「疲れちゃったからロビーまで迎えに来て!」
 甘えるときのMは機嫌がよい証拠。

 庭園に面したレストランを予約。
 Joseph Drouhinのボジョレーを一本頼むが、そろそろヌーボーにも飽きてきた。
 Mの薦めで、Poupille Cotes de Castillon 2000に切り替える。

 これが実にいいワインだった。価格と実力のバランスもよい。
 Mのワイン選びはフランス仕込みなのでソムリエもうならせる。
 久しぶりに瞠目した。

 まだ子供のとき、父を訪ねてきた酒豪の文豪からこんな言葉を贈られたことがある。

 「君、大人になったらワインをたくさん飲みなさい。自分の小遣いで買えるワインを浴びるように飲みなさい。
 「ある時、君の先生なり上司なりが、君が自前で飲めるワインより上等なワインを飲ませてくれる機会があるだろう。
 「君はいつも飲んでいるワインと、上等なワインとの違いに愕然とするはずだ。
 「そうやって徐々に上等なワインを覚えていけば、ワインは一生楽しめるよ、君」

 ぼくにとって、一度目の「愕然」はNYのレストランで出逢ったNapa Valley Chardonnayだった。
 二度目の「愕然」が昨夜のPoupille。(注)
 先生や上司のかわりにMが僥倖を運んでくれる。

 コース料理も最高で、二人ともすっかりご機嫌で庭園を散歩しながら部屋に戻りました。
 それからMを優しく抱いて1回、寝る前にMに目隠しをして襲って1回、朝、寝ていたところをMの手とお口でイカされて1回、お昼前にドレスを着たままのMに襲われて1回。今週はもう8回目。
 お盛んなことミンクの如し。

注: 六本木とかのクラブで空ける(空けさせられる)超高値のワインは除く。支払が怖くて味がしない。伝票を見て「呆然」と立ちすくむ。

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2005.11.21

Mのお誕生日

 その日のクラブはMのお客で満員御礼。
 あまり目だってはいけないが、華やかに祝ってあげたい。
 近所の花屋で花をかき集める。

 頃合を見計らってクラブに花を届けてもらう。
 次々と搬入される花に各テーブルの視線が集まる。
 だれだ、あの花の贈り主は?

 ぼくなりの精一杯の示威行動。
 視線を浴びてますます虚勢をはる。
 でもぼくはクラブで一番の若造。群雄達の視線は何故か優しい。

 向こうのテーブルで、外資系の威風堂々とした社長が笑顔でMと話している。
 「あの若い彼、随分とがんばっているね」
 「うふふ」、Mが軽く受け流す。

 緊張のため悪酔いしました。

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2005.11.20

ほのぼの

 元、銀座ホステスの真琴さんがまた面白いもの見つけた。この記事の後半に説明があります。

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2005.10.13

継続は力(が必要)

 Mのクラブにかよい始めて早くも1年。コンスタントに週1回か2回は顔をだしていた。
 でも、胃潰瘍と十二指腸潰瘍をわずらってしまってドクターストップ。
 今は週1回がやっと。

 10月分の愛人手当ての送金が遅れていて、昨日やっと送金ができた。
 手元に資金があるうちに、11月分も送金しておいた。
 最近はあまり羽振りがよくない。

 昨日は仕事が忙しくて、Mのクラブに顔をだせなかった。
 仕事帰りのMと合流して深夜のレストランでワインと食事。その後書斎でまた仕事。
 夜明けとともにはね起きてオフィスに早朝出勤。睡眠不足がまだまだ続く。

 それでも、毎日Mと逢っている。なんとか時間をつくって逢っている。
 出逢って一年以上。いまだに逢いたくて、逢いたくてしょうがない。
 どんな悩みもMの涼やかで美しい顔を眺めていると忘れてしまう。

 昨夜、レストランでMと週末旅行を計画した。
 明日の出張帰りに、信州の高原ホテルでMと合流することにした。
 Mは東京から列車で。ぼくは名古屋から車で。

 ディナーに間に合うように向かうつもり。
 ホテルについたらゆっくりできる。
 隣にMが居てくれる。

 よく続いているなぁ…

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2005.10.09

カウンセラー

 Mの知人が那須高原で個展をひらいた。
 Mにカウンセリングをしている男性。
 Mがとても信頼している男性だ。

 二人で車をとばして那須高原に向かう。
 町では祭りをやっていた。
 祭り見物の後、その男性の母親と彼女と、ぼくたちあわせて5人で食事をした。

 その夜のベッドの中でMが笑顔で話しかける。
 「安心したでしょ。もう彼に嫉妬しないでね」
 Mの愛撫に身を任せながら素直にうなずく。

 はじめて、共通の友人ができたね。

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2005.10.08

厄払い

 Mはとても信心深い。
 Mにすすめられて厄払いに行く。
 Mのすすめる湘南の神社。

 行きの車の中でけんかをする。
 ぼくが一方的に悪い。
 過去のことでMを責める。

 お祓いが済んでから、茶屋でお神酒をいただく。
 波打ち際で禊ぎをする。
 ヨットハーバーで食事をする。Mがぼくにシャツをプレゼントしてくれる。

 それでもぼくの機嫌は直らない。
 ついにMが泣き出す。
 「もうおしまいね」

 深夜、Mに電話をする。
 「謝ってもらっても、もう遅いの。心が離れてしまったの」
 しまった…。

 厄払いとはこのことだったのか?
 Mにとっての厄はぼく?
 ぼくにとっての厄はM?

 それでもMに会いに行く。
 「来てくれたからもういいよ。私も言い過ぎちゃってごめんね」
 車の中でMを抱きしめる。

 これからはMを大切にしよう。

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2005.09.27

プレゼント

 Mとけんかした。ぼくは全然悪くない。
 「なにかプレゼントしてくれたら許してあげる」とM。
 えっ、なんでそうなるの?

 銀座の専門店で出勤前のMと時計を選ぶ。実は事前に店長に値切り交渉済み。
 Mにふさわしいリッチな時計…。目星をつけておいたその時計を、なんのためらいもなくMが選ぶ。
 清水の舞台からMに突き落とされる。

 先にレストランで待っていたMに時計を渡す。
 「なんか大人になったみたい」、ちょっとだけ嬉しそうなM。
 とても似合っているよ。

 何度もMに時間を聞く。
 そのたびにぼくの腕時計をのぞくM。
 自分の時計持っているでしょ!

 失くさないでね

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2005.09.17

八ヶ岳高原デート

 偶然の一致。
 Mとどこかの高原でゆっくり過ごしたいと考えていた矢先。
 「どこかの高原で音楽でも聴きたいね」、とMから突然の提案。

 八ヶ岳高原ロッジに向かった。
 中央道が生憎の事故渋滞。関越道から軽井沢経由で向かうことにした。
 途中、浅間プリンスホテルで昼食をとればいい。

 まだ紅葉には少し早い碓氷峠を越える。
 黄金色に稲穂の実る佐久盆地を走る。
 千曲川の源流に向かって高度をかせぐ。

 やがて八ヶ岳高原ロッジにたどりつく。
 バルコニーのテーブルで下界を眺めながら、Mは赤ワイン、ぼくはミルクティー。
 澄み切った秋晴れの高原。憑き物が落ちたようにおだやかな二人。 

 その夜、ベッドの中のMは優しかった。
 おねえさんみたい…

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2005.09.07

猫の夢

 猫の夢を見た。
 天国に昇っていく猫が神様と会話している夢だった。
 Mのことを話していた。

 「どうして猫は人と言葉が交わせないの?」と、猫がたずねる。
 「それは、人間よりおまえたちの寿命が短いからだ」と、神様がこたえる。
 「想いをどうやって伝えたらよかったの?」(続く)

 猫と神様の会話を聞いていて、ある啓示を得た。
 そのことをMに話したら、Mがおどろきながらつぶやいた。
 「昨日は飼っていた猫の一周忌だったの…。もっとチーちゃんのお話を聞かせて…」

 猫と神様の会話をMに語って聞かせた。
 Mは静かに耳をかたむけていた。
 涙がMの頬をつたって落ちた。

 M、大丈夫だよ。チーちゃんは幸せにしていたよ…。

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2005.09.03

Mをたずねて100マイル

 前日にMと大喧嘩をした。別れることにした。
 じっとしていられない。さびしさを紛らわすために、体を酷使することにした。
 マウンテンバイクをかついで、独り列車で西に向かった。

 山梨のとある村で自転車を組み立てていると、Mへ想いが募ってきた。どうしても別れたくない。
 「これからMのところに帰る。山梨から自転車で山を越えて帰る。ひたすらMのところに向かって走る。自然のなかで心を澄まして帰るから待っていてくれ。もし無事に帰れたら暖かく迎えてくれ。二人でやきとんを食べよう。それからずっと仲良く暮らしていこう!」
 胸にこみ上げてきた熱い熱い思いをメールに託した。

 「湖に落ちないようにね。やきとんはあんまり食べたくないな」
 Mからのお返事は拍子抜けするものだった。
 まあ、返事がきただけよかった。

 それから漕いだ。峠をいくつも越えた。奥多摩湖を通りすぎた。ひたすら漕いだ。Mに向かって漕いだ。
 お尻が痛い。足が痛い。腕が痛い。腰が痛い。喉がかわく。向かい風がつらい。
 だまっていれば、こっそり電車で帰れたのに。Mに熱いこと言っちゃったからやめるわけにいかなくなっちゃった(泣)

 10時間かかって東京に帰りついた。
 Mとやきとん屋に行った。ビールをむさぼるように飲んだ。Mはワインを涼しげに飲んでいる。
 仲直りした。

 この二人の温度差は何?

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2005.08.15

近況

 今日は、都内のシティホテルでMと待合わせです。スイートルームを予約しました。
 Mがこのホテルのプールを気に入って、今シーズン3回目です。
 Mはプールサイドで少し日に焼くそうです。
 ぼくは部屋で仕事をする予定です。
 最近、あまりけんかをしなくなりました。

 Mは同じ水着を着るのをいやがるので、今回も水着を買ってあげました。
 水着の試着室に何枚も持ち込んで、着替えるたびにMがポーズをとって、ぼくがデジタルカメラで試し撮りをします。
 お店の人はあきれてそのうちいなくなります。
 二人で写真映りを確かめながら、その日の水着を決めます。
 その後、フィットネスクラブのプールで最終チェックを行ってから、新しい水着のご披露と相成ります。

 Mのこだわりがとても可愛い…。

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2005.07.25

迷走月間

 もう迷走状態。Mとの関係性がどうなっているのか、自分でも分かりません。
 一喜一憂。天国と地獄。紆余曲折。ダッチロール。月と6ペンス……。

金曜日の深夜
1:50 救急車でMが運ばれて入院。

日曜日
18:00 Mが退院。
20:00 Mと飲茶。その後、ホテル。二人の新居の相談。Mがささやく。「H、愛してる」。ついにMが愛していると言った。
1:00 Mと電話でけんか。ぼくがMの携帯電話を壊したことでクレーム。
2:00 けんかの中締め。就寝。

月曜日
4:30 起床。資料作成。
6:30 オフィスに出勤。プレゼンテーションの準備。
9:00 プレゼンテーション。
11:00 ミーティング
12:00 Mの家に迎えに行く。Mに新しい携帯電話を渡す。仲直り。公園を見渡すオープンテラスでフレンチ。
14:00 Mの治療のことでけんか再開。「愛していると言ったのは嘘。あなたとどうしても別れたいの」。Mと別れる。Mのメールを全部削除。ブログを削除しようか迷う。
15:00 溜池のオフィスに戻り、来客。ミーティング。内心はもう苦しくて苦しくて。
17:30 品川で、ミーティング。Mが心配で心配で。
19:00 Mに連絡がとれないので、クラブ出勤前に立ち寄る銀座のBar付近で待ち伏せ。30分後、Mを発見。
19:30 Mとソニービルで夕食。クラブに同伴。Mのクラブには先週プライベート2回。接待1回。今週、月曜日からプライベートで1回目。
22:00 オフィスに戻り、社内ミーティング。
23:00 久しぶりにブログをアップ。コメントしてくれた方々にお返事できずに遺憾の意。
24:30 Mを迎え行く予定。

 なにがあっても、Mはぼくが守らなきゃ。

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2005.07.08

浴衣姿

 昨日から閉門蟄居が解かれています。
 昨日の早朝、Mの家に押しかけました。
 Mを連れ出してホテルでセックス。仲直り。

 仕事の後にもMと会う。
 赤坂の料亭でお食事。
 その帰り、赤坂の路上でまたけんか。

 少しぐらい売上が落ちたからといって、いらいらするような女じゃなかったろ!
 例え収入が0になったとしても、半年や一年ぐらいの生活の面倒はみてやる!
 もし自分になにかあっても困らないように、生命保険の受取人にしてやる!

 結構、熱くかっこいいこと言ったつもりだったのに、
 「どこまで本気なんだか」、「浮気でもしちゃおうかな…」
 と、まったくとりあわないM。

 ムキになって今日保険会社に相談したら、根掘り葉掘り二人の関係を聞かれた。
 愛人ですと言ったら、引き受けは難しいと言われた。
 共同経営者ということにした。

 「今日は浴衣なので迎えにきて」と、先ほどメールが着信。
 これからMを迎えに行ってきます。
 昨日までのけんかは何だったのだろう?

 やっぱりMは可愛い。

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2005.07.07

閉門蟄居

 土曜日からMに連絡がとれない。
 電話もメールも着信拒否状態。
 ひどすぎる…。

 ぼくが浮気をしているなんて、まったくの濡れ衣。
 一回、別のクラブに飲みに行って大枚をはたいたことはあったけど、とっても誠実にしてきたつもり。
 腹いせに他の男を誘ったなんて、ひどすぎるじゃないか。

 話すと長くなるけど、また痴話げんか。

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2005.07.01

Mとの出逢い

 1年前の7月2日、ぼくとMは出逢った。
 満月の晩だった。
 彼女はゆかた姿だった。

 ぼくは深夜のランニングを終えて、自宅に戻る途中だった。
 ランニングの後に、自宅前のオープンカフェで、ギネスビールを1パインだけ飲むのが日課だった。
 その日も、そのカフェに入ろうとしていた。

 向こうから、ゆかた姿の髪の長い女性がゆっくりと歩いてくる。
 しなやかな振る舞いと、美しい顔立ちに心をうばわれた。魂をゆさぶられた。
 一瞬で恋に落ちた。

 彼女も同じカフェに入ろうとしている。
 お先にどうぞ。
 彼女がカウンターに腰かけると、その隣の席しかあいていない。

 彼女の隣にすわり、ギネスを注文する。
 彼女もロングカクテルを注文していた。
 ぼくの席から満月が見える。

 「月がきれいだね」、と彼女に話しかける。
 彼女の席から月は見えない。
 彼女はするりとストールをすべりおり、ぼくの背後に立って月を見上げた。

 「わぁ、ほんと!素敵!」
 しばらくそのまま月を眺めている。胸の前で手を合わせて月を見上げている。
 なんて天衣無縫なひとだろう。その姿に胸がキューンとした。

 彼女と交わした会話はこれだけだった。
 「それではお先に…」
 ギネスのグラスを空けると、カウンターに千円札をおいて店を出た。

 運命を感じた。
 必ず再会する確信があった。
 だからその日はそれだけでよかった。

 1ヵ月後に彼女と再会する。

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2005.06.29

嫉妬は疲れます

 昨夜の大喧嘩。

12:00
 ファミレスで口論スタート。
 Mが店を飛び出し、タクシーでどこかへ消える。

13:00
 ぼくの自宅のそばで、食事をしているMに車で追いつく。
 「ファミレス、居心地悪かったの」

14:00
 車の中で口論再開。
 Mが車を飛び出し、走ってどこかへ消える。

16:00
 3駅となりの街にあらわれたMを捕まえる。
 「もうあまり追いつめないでね」

17:00
 車の中で口論の続きが始まる。
 Mがまた車を飛び出し、どこかへ消える。

18:00
 いつものCafeでスパイシーミルクティーを飲んでいるMを発見。
 「しばらくひとりにして。でも、ビール一杯飲みたいな…」

19:00
 蕎麦屋で蕎麦がき、山菜のてんぷら、辛みおろし、鴨の陶板焼きで一杯。仕上げに手打ち蕎麦。
 「次は胸が大きくなることしたいな…」

21:00
 仲直りの仕上げにファッションホテルにチェックイン。
 部屋に入った瞬間、Mの携帯電話がなる。喧嘩の元凶。Mと急接近中の男から。

 ボゥッ!口論再燃。深夜まで続く……。

 彼と仲良くな。二度とよりを戻すつもりはないからそのつもりで。
 「いいわよ、さよなら!」


翌朝9:00
 Mにメールを書く。
 全て僕が悪かった。Mを苦しめてごめん。
 メールを送信した瞬間に、Mからも入れ違いにメールが着信。
 「昨夜は苦しかったの。きつい事を言いすぎました。もう戻れない?M」

 戻っておいで。ね?

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もう限界かな…

コメント本当にありがとうございます。
でも、どうしても、もうだめそう

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2005.06.25

週末のホテル

 オフィスで仕事しています。
 仕事が一段落したら近くのホテルに移動します。
 夕方、Mがホテルで合流します。
 お天気がいいので、それまでプールで泳ぐつもりです。

 昨夜は銀座の帰りにMからネクタイをプレゼントされました。
 今まで人に、ネクタイをプレゼントされても、気に入ったことがありませんでした。
 さすがにMの見立ては正確です。とても気に入りました。
 相手のワードロープを把握するのも、クラブホステスの仕事なのかしら。

 なんか最近、毎日Mに会っている。
 毎晩、一緒に食事をしている。
 しばらく会わないと、気持ちが不安定になってしまう。
 ちょっとMに依存しすぎかも。

 Mの細長い指に、指をからめるだけで、うっとりしてしまう。
 Mを抱きしめて、長い髪に顔をうずめるだけで、気がかりなことを全て忘れてしまう。
 Mと唇をあわせるだけで、頭の中が真っ白になってしまう。
 ちょっとMに心を許しすぎかも。

 なにかあると、Mに会いたくなる。
 Mとけんかしても、Mに会いたくなる。
 Mとのことで悩んでも、Mに相談したくなる。
 ちょっとMに甘えすぎかも。

 今日は二人でゆっくり過ごそう。

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2005.06.22

ブログ見つかる!

 6月は愛人手当てを振り込んでいない。
 だからお互いなんの関係性も無し。だからすごく不安定。
 今までより、よくけんかするし、よく仲直りする。起伏が激しい。

 Mが休みの日にぼくの仕事を手伝ってくれる。
 フレンチレストランを出店させる仕事。
 Mのフランス滞在経験と酒と料理の豊富な知識と感性にとても助けられている。

 愛人手当ての代わりに、時給10,000円+成功報酬をMに支払う。
 仕事なのに、なぜか楽しい。
 いつかMとCafeを出したい。その日のための予行演習かな。

 一緒に仕事をしているときに、このブログが見つかっちゃった。
 「やだぁ…。ふふふ…。だめよ、こんなこと書いちゃ…」、笑いながら見ているM。
 はずかしくて涙がでちゃった。

 まだ見ちゃだめ。ぼくが死んだら見ていいよ。

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2005.06.17

A hundred different things within the measure of a day

 週初めに仕事を休んでしまったので、一昨日は朝5時からオフィスで働いていた。
 その日の帰り、銀座のクラブにMを迎えに行った。
 病み上がりに寝不足とタクシー渋滞が重なって、少し神経が高ぶっていた。

 やっぱり、車の中でけんかになった。Mにおこってしまった。
 7月まで会わないことにした。お互いに連絡もしないことにした。
 それぞれの電話とメールを着信拒否に設定してから別れた。

 家に帰ると朝の5時。着信拒否をこっそり解除する。
 2時間後、Mの電話で目が覚める。
 「あら?着信拒否にしてないの?だめじゃないの」、と威張るM。

 その夜、ホテルのベッドでMがつぶやく。
 「もう会わないって決めたのに、2回もエッチしちゃったね。だめね……」
 気がつくと、Mのかわいい寝息が聞こえる。

 おこってごめんね。ゆっくりおやすみ、スイートハート。


題名: Elvis Costello / She より

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2005.06.15

看病?

 過労で倒れて3日間寝込んでしまった。
 その間、高熱にうなされ、食事も摂らずにひたすら眠り続けた。

 Mが街へやってきた。

 お昼頃、Mのメールで目が覚める。
 「今、あなたのマンションの前のロイホでお食事しているの」
 ベッドから起き上がり、新しいシャツに着替えてMに会いに行く。
 寒くて震えが止まらない。ヨーグルトを食す。

 夕方、Mのメールで目が覚める。
 「今、あなたのマンションの前のドトールでお茶しているの」
 ベッドから抜け出して、新しいシャツに着替えてMに会いに行く。
 熱で意識が朦朧としている。オレンジジュースを飲む。

 夜、Mのメールで目が覚める。
 「今、あなたのマンションの前のBarで一杯飲んでいるところ」
 ベッドから這い出して、新しいシャツに着替えてMに会いに行く。
 声がでない。ギネスビールを1パイント。

 深夜、Mのメールで目が覚める。
 「今、あなたのマンションの1階のコンビニでお買い物しているところ。もう帰ってもいい?」
 ベッドからずり落ちて、新しいシャツに着替えてMに会いに行く。
 関節が痛くて歩くのも困難。ポカリスエットを買い、Mを家まで車で送る。

 Mが嬉しそうに言う。
 「うふふ、熱で弱っているあなたって、おとなしくて可愛い!」

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2005.06.06

香りフェチ

 Mからよくオードトワレをプレゼントされる。
 昨夜も車の中で、突然シャツの胸ポケットにDolce&GabbanaのLIGHT BLUEを押しこまれた。
 「これ、つけてみて!」

 これまでにも、季節や気分にあわせて、BVLGARIのAQVA POUR HOMME、SALVATORE FERRAGAMOのSUBTIL POUR HOMME、ELIZABETH ARDENのGREEN TEA、PHYTOMER HOMMEのCOOL MARINE...、いろいろプレゼントされてきた。
 新しいオードトワレを買ってきては、ぼくの手首や首筋につけさせて香りをかぐ。
 そのたびに、「う~ん、エッチぽい!」、「いや~ん、男くさい!」、「これからの季節はこれがいいね」、「あなたに似合ってる!」、等々。

 おかげで、車のコンソールボックスの中が、オードトワレの瓶でごった返してきた。
 Mは香りフェチ。ときどきぼくの手首や首筋に鼻をすりつけて深く息を吸い込む。
 しばらくすると、Mの唇がひらき、見上げる瞳が潤んでくる。

 セクシーなM。

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2005.06.03

愛のムチ打ち

 昨夜、ホテルで口論になり、Mのお尻をぶったら3発ひっぱたかれた。
 ベッドで仰向けになっているところを叩かれたものだから、首だけをひねってムチ打ちになってしまった。
 だから、その後のセックスと車の運転がとても不自由。明日、接骨院に行ってこよう。

 しかし、Mは強いな。気をつけよう。
 今日、ムチ打ちになったことをMに話したら、
 「猫だっていじめられればひっかくでしょ?痛みに効くアロマオイル処方してあげるね」、と爪を構えてちょっと得意そう。

 Mに叩かれたこと2回、のべ6発。
 Mに噛まれたこと1回。
 勝気なM。でも、可愛い。

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伊豆旅行

 伊豆に旅行に行ってきました。
 ホテルのプールで泳いできました。
 Mにはエステをプレゼントしました。

 ロマンスカーで行きました。
 展望車両の一番前に乗りました。
 ロマンスカー弁当を食べて、赤ワインを飲みました。

 夕食はフランス料理を食べました。
 朝食も同じレストランで食べました。
 部屋ではかつおの酒盗で一杯やりました。

 ジャグジーで抱きあって過ごしました。
 バルコニーで海を眺めて過ごしました。
 バーでチェスをして過ごしました。

 帰りは踊り子号に乗りました。
 雨が降ってきました。
 チョコレートを食べて、ウイスキーを飲みました。

 Mのお肌は、エステですべすべになりました。
 ぼくのお肌は、日に焼けて真っ黒になりました。
 二人とも少し太りました。

 けんかは一度しかしませんでした。

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2005.05.29

転機?

 Mと別れ話をした日の夜は、やっぱり辛かった。
 だれにも会いたくない。
 ベッドにもぐりこみ、読書に耽った。

 深夜にMからメールが届いた。
 「最近は、ありがとうって心から言えなかった。明日から自分のことは自分でします。あなたも立て直してね。きつい事はもう言いません」
 切なくて、Mの名を呼び枕を抱きしめた。

 明け方に、もう一度Mからメールが届いた。
 「あなたの仕事を手伝いたいから、やり直してみて。辛いようなら連絡してください。M」
 すぐに連絡をした。M、ありがとう…。

 夕方、Mに会った。
 「しばらくお手当ては振り込まなくていいです。大変なときは私も出すから無理をしないで…」
 抱きあった。何度も抱きあった。

 これからのことは、ゆっくりと考えよう。

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2005.05.27

手切れ金

 Mとけんかする。

 二人の相性が悪いとMが言う。
 一緒にいると運勢が悪くなるとMが言う。
 前の彼の方が良かったとMが言う。

 だったら別れようとぼくが言う。
 今回ばかりは本気だとぼくが言う。
 二度とよりを戻すつもりは無いからそのつもりで、とぼくが言う。

 「手切れ金、300万円ください」
 なんだ、手切れ金が欲しくて、ぼくが別れ話を切り出すように仕向けたのか。
 「一度に払えないので、分割して払うから…」

 いい機会なので、事業に失敗して経済的に行き詰ったことをMに話す。
 金の切れ目が縁の切れ目なので、まさに別れの潮時だったことを話す。
 手切れ金はなんとか工面して必ず払うから、と話す。

 9ヶ月間、Mをものにするために時間とお金をつぎこんできた。
 でも、経済的にも精神的にも、もう限界かもしれない。貯金も使い果たした。
 やるべきことはやった。潔くあきらめる。

 しばらく黙って聞いていたMが言う。
 「……、じゃ、1万円でいいです」

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2005.05.18

藁にすがる気持ち

 今日子さん、れいさん、コメントありがとうございました。
 今、こんな気持ちです。

 海に落ちて、必死でもがいている。
 沈まないように、手足をじたばた動かしている。
 一度、動きをとめてみたら、ゆっくりと沈み始めた。それで、また、もがく。

 でも、いつまでも、もがいていられない。
 時間と体力が尽きてしまうから。
 少しだけ浮力が欲しい。「なにか」につかまりたい。

 「なにか」につかまれば、もがかなくても浮いていられる。余裕ができる。
 そうすれば、あたりを見回すこともできる。次にどうするべきか考えることもできる。
 岸はどっちだ、船はどこか?浮くための努力を、進むための努力に振り向けられる。

 その「なにか」が、愛情か信頼か希望だと思っている。
 今も無くはない。それに、たくさんを必要としているわけではない。
 浮くか沈むか、定めを逆転させるためだけに、ほんの少しプラスの浮力が欲しい。

 そんな気持ちです。
 ちょっと混乱しています。

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天空からのラブレター

 昨夜は月齢 8.8、上限の月。Mと二人で「月見の宴」をひらいた。
 場所はパークハイアット東京の『The Peak Lounge』。
 41階にある、ピラミッドのようなガラスの天井に囲まれたカクテルラウンジ。

 案内された席につき、栓をぬいたばかりのシャンパンを飲みながら高い天窓を仰ぐ。
 「あ、月!きれい!」、透明に輝く上限の月を見つけて嬉しそうなM。
 木星とスピカも天高く輝いている。背筋がのびる。心が澄んでくる。

 全天の夜景にかこまれて、ラブチェアーに寄り添う二人。
 セクシーなエメラルド色のドレス。胸元の谷間。甘く優しいキス。よく冷えた黄金色のシャンパン。
 なにもかも揃っている。

 でもなにか足りない。
 ほんのわずかだけ足りない。
 愛があと5%だけ足りない。

 甘えるMにそそのかされてお部屋に行く。
 月明かりに照らされたMの美しい肢体。素肌のやすらぎ。情熱的なセックス。情事の後の深い眠り。
 なにもかも揃っている。

 なぜか切ない。
 ほんの少しだけ悲しい。
 希望があと5%だけ足りない。

 お金と体だけの愛人関係だからかな。
 不倫だからかな。
 でも、本気で言うから覚えておいて。

 Mの恋人になりたい。

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2005.05.17

失望

 やっぱりうまくいかない。
 失望する。裏目に出る。
 じゃまが多すぎる。

 恋愛ってこんなにややこしかったかな?

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2005.05.16

理性と快楽のあいだで

 なんとなく別れ話がうやむやになりかけている。
 このままでいいのだろうか。
 少し落ち着いてから冷静に話し合おう。

 金曜日の夜は、Mを銀座に迎えに行って、深夜のレストランでワインと軽い食事。
 昨夜の一件で疲れきっている二人は、ひとまず停戦。
 あたりさわりのない話をしながら、肌を触れ合う。今は癒しあうときだから…。

 土曜日は夕食を一緒にすませて、郊外のリゾートホテルに宿泊。
 話はしない。だまって抱きあう。まだ癒しあうときだから…。
 不安なときのセックスは情熱的だ。夢中で求めあい、満たされて眠る。

 夜中に人の気配で目が覚めると、Mがだれかに電話をしている。
 後でわかったことだが、前の彼と昔つきあっていた寿司職人。
 彼らからもよく夜中に電話がかかってくる。

 情熱的なセックスをした後でも、二人抱きあって眠っていても、心が満たされないM。
 怒ったりはしない。
 なにがそうさせるのか、Mにたずねる。

 「あなたがいなくなった後に一人になるのが怖くて…」
 「ごめんなさい。もうするなと言われたら、もうしません」
 可愛そうに。でも、もう、これ以上なにもしてあげられない。

 翌朝、起き上がろうとすると、Mがぼくにまたがり、ぼくをベッドにおさえつける。
 「そのままでいて」
 Mがぼくに唇を這わす。唇に、うなじに、胸に、……に。もう動けない。

 ベッドに押さえつけられたまま、Mの中で果てる。
 激しい呼吸で、まだ口もきけないぼくを見おろし、Mが得意げにつぶやく。
 「愛人として、これぐらいしてあげなきゃ」

 Good job!

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2005.05.13

下町の散歩

 木曜日、Mが銀座のクラブをお休みする日。
 だから、いつもはデートの日。
 でも、昨日はデートは無し。だって、別れることになっていたから。

20:00
 昨日は仕事の後、久しぶりに旧友らと会った。
 この半年間、Mとばかり過ごしていたので、不思議な開放感。
 地下の日本料理屋でシャルドネ2本、冷酒6合を空けてほろ酔い気分。

 店をでると、スーツのポケットの中で携帯電話が鳴っている。Mからだ。
 「メールは見てくれた?」、思いつめたMの声。
 今、地下の店からでてきたばかりだからまだ見てない。
 「何度も何度も電話したの。何度も何度もメールしたの。心配でおかしくなりそうだったの」
 ごめん、ごめん。でも、飲みに行くって言ってあったじゃない。
 「それにしても連絡が遅すぎる。心配だから会社にもご自宅にも電話しちゃった」
 こらっ!

23:00
 2軒目のBarでBOWMORE15年のソーダ割りを4杯飲む。頻繁にMから電話がかかってくる。
 さすがに心配なので、友人と別れて、Mの家までタクシーを飛ばす。
 「おまえの意外な一面を見た。そういうことをするやつだとは思っていなかった」、事情を知った旧友が驚いている。

1:30
 Mの家の前で電話をする。
 「あなたから連絡がないから、睡眠薬を飲んで今眠るところ。キレイにしていないけど、少しだけ話せる?」
 Mと、いつものBarまでタクシーを飛ばす。
 「ほんとうにつらかったの。どうにかなりそうだった。こんな私にしたのはあなたのせいよ。責任とってください」
 「とりあえず手切れ金をすぐください」
 「だれか一緒に旅行に行ってもらうつもりなの。落ち着いたらもう一度だけあなたに会ってあげる」
 もう、別れるんだから、好きにしていいよ。
 「平然としているあなたの表情、大っ嫌い!馬鹿!馬鹿!馬鹿!」
 憔悴しきったMを抱きしめてキスをする。

2:30
 「もう少しおつきあいをつづけたら、なんで別れるのかあなたにもわかると思うの…」
 睡眠薬と2杯目のドライシェリーが効いて、Mのろれつがまわらなくなってくる。
 これ以上、飲ませたら危険だ。
 Mを抱えて、Mの家までタクシーを飛ばす。

3:00
 帰宅してから携帯電話の着信履歴を見る。
 何十回もMからの着信履歴が記録されていた。
 どんなに辛かったろうか。かわいそうで涙がでそうになった。

7:00
 シャワーを浴びて、ネクタイを締めているとMから電話。
 こんなに早くにどうしたの?大丈夫?
 「まだ大丈夫じゃない。昨夜は睡眠薬を飲んでいたから話した気がしなかった。今日、会って話できる?」
 一日スケジュールが詰まっているけれど、Mの仕事が終わった後だったら大丈夫だよ。
 「とても苦しいの。このままじゃ仕事ができない。だから仕事の前に会いたいの。今回だけはわがまま聞いて」
 わかった。必ず会いに行く。

19:00
 Mを連れて深川不動尊におまいりにいく。信仰心が篤いMは深くこうべをたれて祈っている。少し落ち着いたようだ。
 「ほらみて、私が祈ったら空が晴れてきた!」、嬉しそうなM。
 風が北にシフトして、西から厚い雲が近づいてくるのに気づいていたが、Mにはだまっていた。

 京漬物の近為で、Mのご両親とM用にそれぞれ漬物をおみやげに買う。
 深川丼の店で、熱燗と深川丼のコースメニューをMにすすめる。
 この二日間、Mがほとんど食事をしていないのを知っている。

 「ドレスを着て、こうしてあなたと下町で飲んでいると、若旦那とキャバレーのホステスみたいだね」
 Mがキャバレーのホステスに見えるか、クラブのホステスに見えるか、それはエスコートしている男性次第だよ。
 「だからキャバレーのホステスみたい」
 ムカ!

20:30
 日本酒でMのほほが桜色に染まり、表情もあでやかになってきた。食事もすべてたいらげた。
 もう大丈夫。とてもきれいだよ。これなら銀座でパキっと働ける。
 笑ってうなずいたMを銀座に送り届けてオフィスに戻る。

 0:30にMを迎えに行くまで仕事の続きをしよう。

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2005.05.12

さてと…

 こんな早い時間に自宅の書斎にいる。
 「今夜はクラブに同伴して。それで最後にして」と、Mから頼まれた。
 クラブでMのエクスキューズらしきものを少し聞き、「もう帰って」と言われて帰ってきた。

 いつもと違う雰囲気にママやチーフが少し慌てていた。Mは見送りにも出てこなかった。
 Mは今のクラブを辞めるかもしれない。大丈夫かな。
 明日にでも今月の支払いを清算しておこう。

 少し落ち着いたら、Mとの関係を清算する話し合いをしなければいけない。
 あれだけ愛しみ慣れ親しんだ、Mの表情、Mの声、Mの肢体。
 目の前にして冷静に話ができるだろうか。

 心のどこかで、Mからやり直したいと言われることを期待している。
 まだ、別れを現実のものとして、受け入れることができない。
 でも、終わりが始まったことは間違いない。軟着陸させなければ。

 一段落したら過去の思い出をときどき日記に追加しよう。
 ひととおり集大成したらそれでおしまい。
 なにを得て、なにを失ったか。なにが変わって、なにが変わらなかったのか。

 十年に一度の恋。
 ずっと後で読み返したらどんな気持ちになるのだろうか。
 Mが可愛い。Mが愛しい。Mが心配。Mをいつもみたいに抱きしめたい…。

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2005.05.11

Goodbye my love

 昨夜のMからのメール。
 「幸せです」
 本当に嬉しかった。

 昨年の7月に出逢ってから、いろいろあったけれども、やっとここまで来れた。
 ものごころついてから、一番心が解放された瞬間だったかもしれない。
 6月25日にMが新居へ引越すことも決めた。

 次にMから別れようと言われたら、その時はお終いだと覚悟を決めた。
 ぼくはもう精一杯だから後がない。
 自分の人間性の限界だから諦めるよりほかはない。

 本日17:00、Mからメールが来た。
 「あなたを絶対許さない。あなたと別れたい」
 理由はともかく、別れの宣告。

 結論がでてしまった。
 今回は運命を受け入れよう。
 無念。

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破滅型恋愛

 月曜日はなんとなくMに誘われてクラブに同伴&アフター。
 その後はタクシーの中でケンカ。運転手さんも困り顔。
 それからHotelへ。

 ここまではいつものパターン。
 ただ、いつもと違うのは朝のけんかをしなかったこと。
 朝5時半に起きてから3回セックスしたこと。都合4回。いつもより1回多い。大潮の影響か?

 出勤して超多忙モードで仕事して、夜、またMと待合わせ。
 Mはクラブがお休みなので、のんびりモード。
 蕎麦屋の個室でまったりと食事。

 Mはとてもおだやかでラブリー。
 並んで座りながら密着する二人。Kiss kiss kiss...
 このままでは、またお泊りしたくなってしまうから今日は帰ろう。

 帰宅してからベッドに倒れこんで熟睡。
 夜中にMのメールに気がつく。
 「幸せです」

 翌朝、Mからのクレーム。
 「なんで返事が夜中なの?心配させると他の人にメールしちゃうから」
 新しい彼でも見つけたのか?と、売り言葉に買い言葉。

 それから、けんか。けんか。けんか。
 「もう連絡しません。バカみたい。せっかくあなたと幸せだと思っていたのに」
 「誰かと食事でも行ってきたらどう?私もそうします」

 う~ん、諸行無常。
 うまく行ったと思うと必ずこうなる。
 しばらくするとMからメール。

 「人生楽しい主義がいいね。いい景色見てみたいです」
 旅行でも行こうか?ゆっくり話もできるし。
 「海がいいです」

 で、海の見えるリゾートホテルとアロマテラピーを予約しました。
 Mのお母様がお気に入りのホテルです。
 元銀座のクラブのママだったMのお母様は、そんな二人を心配しています。

 「あなたたち、大丈夫なの?」

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2005.05.09

よくもまあけんかばかりすること

 連休中は銀座のクラブもお休み。だから毎日Mと会っていた。
 夕べにベッドで愛し合えば、翌朝には別れ話。
 自分でもどこに軸足を置いていいのかわからない毎日だった。

 ホテルのロビー。「あなたなんか大っきらい!もう一生あなたに会わないから!」、捨て台詞を残してタクシーで走り去るM。
 一人残され冷静に駐車場に引き返す自分。周りの視線が心地よい。
 なぜか、Mがユーモラスで愛しくて、車を停めてMに電話をしてしまう。

 「今どのあたり?送ってあげようか?」
 「タクシー降りるから迎えに来て!」、威張るM。
 Mをピックアップして走り出す。

 こんな応酬を繰り返しながらも逢瀬を重ねる二人。
 思考停止。感情優先。情事先行。
 愛しさだけが募っていく。

 ベッドでMが囁く。
 「私のあげたコロンをつけてね。でないと私の彼っていう気がしないの」

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2005.04.28

砂上の楼閣

 うまくいってると思っていても、また、どんでん返しがあるんだろうな…。
 次回は少しきつそうだ。
 疲れたかも…。

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2005.04.27

気障な二人

 月曜日の夕方、オフィスで仕事をしているとMから突然のメール。
 「今日、来ないよね? お天気で気持がいいから、あなたと飲めたらいいな、って思ってます。M」
 そうだね。ここのところ二人でゆっくり飲んでいなかったよね。誘いに弱いぼく。結局同伴することに。

 赤坂の日本料理屋で食事。Mはご機嫌。最近僕たちはやけに仲がいい。
 季節の野菜の胡麻和え、カワハギの肝和え、銀ダラの味噌漬け、稚鮎と山菜の天婦羅……。
 芋焼酎と冷酒でぼくは結構出来上がる。

 銀座のクラブに同伴出勤。この日はクラブも混んでいたので、Mは大忙し。
 ぼくは遅くに出勤してきたママと話し込む。
 ボトルを一本空けてかなり出来上がる。

 アフターはMと二人でいつもの寿司屋に。
 途中、一輪のバラをMにプレゼント。ちょっと気障。
 冷酒でますます出来上がってきた二人。

 まだ帰りたくない二人はタクシーで馴染みのBarへ。遅い時間なので客はぼくたちだけ。
 このBarはけんか用のBarで、いつもはけんかばかりしている。
 今日の二人はやけにご機嫌なので、顔なじみのバーテン達も不思議そう。

 バーテンの許可をもらってBarのピアノを弾く。リクエストに応えて『ジムノペティ』。ちょっと下手。
 ショパンの『別れの曲』を弾きだしたとき、Mがやってきてぼくの肩に手を置き、鼻歌まじりにフランス語で歌いだす。
 映画「シャルロット・フォーエバー」の『Lemon incest』をシャルロット風に。

 う~ん、可愛い。驚いた。聴き惚れる。Mに惚れなおした。
 「あなたがピアノお上手なんて!」
 Mも驚いている。

 それにしても、気障な二人。

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マーケティング

 金曜日の深夜、オフィスで仕事をしているとMから電話が入った。
 「今、仕事が終わったの。今夜はタクシー混んでいるからいつものBarに寄っていこうかなと思って…」
 まだ会社だから、待合わせしない?送っていくよ。

 待合わせ場所でMを待つ。たまたまつけたラジオからElvis CostelloのSheが流れる。
 Mと出逢った頃に聴きはじめた曲だ。歌詞の彼女の支離滅裂なところが、Mにそっくりなので思い入れがある。
 この曲を聴くと出逢った頃の素直な気持ちに戻れる。

 今夜のMは上機嫌。Mの客がのべ30人来たそうだ。大した売上だ。
 仕事帰りにMと待合わせをするときは、いつもその日の売上の話題になる。
 Mは売上の傾向と対策の研究に余念がない。

 ぼくも経済動向、月次、曜日、路上で観察した車の交通量、銀座周辺のタクシーやハイヤーの駐車状況からその日のMのクラブの繁閑を予測する。
 売上によって、Mのご機嫌も左右されるので、まっさきにその日の売上状況を確認するのだ。
 Mも自分のモチベーション、ホステスの運勢と組み合わせ、天気、野球やサッカー等のスポーツ開催、曜日等と、客足の相関関係を読み解こうとしている。

 Mによる内部環境の定性分析と、ぼくの外部環境の定量分析を組み合わせて、ひとしきりの議論が終わると、なにを食べようかというテーマに切り替わる。
 この日は、首都高速の下り線が事故渋滞していたので、青山の和食レストランで食事をした。
 海草サラダ、銀だらの西京漬、麦とろご飯、稲庭うどん、ヘルシーな献立にしてみた。

 今日のMは甘えっこモードで可愛い。
 今週のぼくたちは毎日会っている。ほとんど毎日セックスをしている。
 満月が近づいているためだと思う。

 Mと月齢。これもぼくの研究テーマ。

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2005.04.23

嫉妬の相手

cat
 休日の朝にMから電話。
 「猫ちゃん、元気?」
 元気だよ。
 「猫ちゃん、今なにしてるの?」
 ぼくのベッドの中で背中にくっついて一緒に寝てるよ。
 「いいなぁ♪うらやましい!」
 どっちが?。ぼくが?、ぼくと一緒に寝ている猫が?
 「えっ!……。」

 ……。わかった。もういい。

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2005.04.21

こんな関係をいつまでも続けたい…

 今日のMはホステスはお休み。午後にMから電話。
 「昨日傷ついたでしょう。今日、30分だけでも会えない?、ずっとあなたの手を握っていてあげたいの」、と気づかうM。
 「エッチしたから全然大丈夫だよ」、と単細胞なぼく。

 昨日はイライラしていたMが散々きついことを言っていたのだ。傷つきはしなかったけど、Mをあるプロジェクトに誘っていたことについて、
 「あのビルは、私と前の彼が最初に結ばれた場所なの。私たちの仲をを引き裂いたあなたなんかと行きたくない」
 と、言われたことが心に引っかかっていた。

 今朝も打合せのためにそのビルに向かっていたが、そのことを思い出して少し気分が滅入った。
 そのことを察知したのか、車がビルに入る寸前を見計らってMからメールが届く。
 「おはよう(ハート)、お仕事楽しんでね(キスマーク)」。M、さすがだ。
 
 付き合いだした頃の、お互いの不信や不満を早く昇華させてしまいたい。
 まもなくそのときがくると思う。
 少なくとも、ぼくはもうなんとも思っていない。

 仕事帰りにイタリア料理店でMと待合わせをした。
 ボルドーの白ワインと前菜とパスタ。
 隣にかけたMがやたらぼくの体を触ったり、ほほを寄せたりする。一生懸命昨日のけんかのフォローをしてくれている。

 一杯だけのつもりで次に寄ったBarに長居をしてしまう。
 Mとバーテンが、酒とフランスの話題で盛り上がっている。
 Glenfiddichのモルトリキュールをちびりちびり舐めながら、となりのMを眺め、Mの話に耳をかたむる。

 Mの容姿が好きだ。体や表情を眺めているだけで幸せな気分になる。
 Mの声が好きだ。耳になめらかでうっとりと聞き惚れる。
 Mの話が好きだ。感性が刺激され夢と知識がふくらむ。

 冷たい美しさだけの女性だったら、もっと上手に付きあえただろう。
 透きとおった知性だけの女性だったら、いい友達になれただろう。
 才色兼備のMとの恋は10年に一度の恋だと思う。生涯2度目でこれが最後の恋になると思う。

 優しい時間がながれて、それぞれの家に帰る時間になった。
 Barを出てエレベーターの中でMを抱きしめ熱くKissをする。
 並木道を歩きながら空を見上げると上限の月が傾いていた。

 「もうすぐ満月だね」と、Mに話しかける。
 「こわいね」と、Mがこたえる。
 「楽しみだね」と、いわくありげにMの腰を抱きよせる。

 「エッチ!」

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